ご供養について
大切な方が亡くなられて、ご遺族様の嘆きは大変なものです。「所行無常生者必滅の理」と申しながら、なお故人への思いは断ちがたく残る日々かと思います。
ご供養の一端として、死者と生者とをつなぐのが墓所や墓石です。亡くなった方の魂のやすらぎの場をつくり、追善回向をすることが残された人々のおつとめのひとつです。
また、先祖を祀るためのお墓を樹木の根にたとえ、幹を「親」、葉や果実を「子や孫」とする考えもあります。
見えている枝葉の部分に直接肥を与えると木は枯れてしまいますが、根(先祖)に肥(声=お経)を与えればおいしい果実が実ります。先祖を正しく供養する事で、子孫繁栄へとつながってゆくのです。
お墓の名称
1 | 石碑 | 文字を刻むお墓の本体です。この中に納骨所が設けられています。 |
---|---|---|
2 | 水鉢・線香立 | 水鉢は故人の喉の渇きを癒すためのものと言われています。 |
3 | 花立 | 供養に欠かせないお花を捧げる場所です。 |
4 | 塔婆立 | 塔婆が風で倒れないようにします。 |
5 | 荷物台 | 墓参時の荷物を置く台です。 |
6 | ロウソク立 | 風で火が消えないようにするタイプが便利です。 |
7 | 拝石 | 合掌する場所です。 |
8 | 墓誌(墓標) | ご先祖の歴史を刻むためのものです。 |
9 | 墓前灯篭 | 献灯は古来より良いものとされ、できれば設置したいものです。 |
10 | 外柵 | 石でできた、墓地全体の囲いです。 |
お墓を建てる時期
仏様ができると、すぐ墓を建てないで3年、7年、13年の節目に建てるほうが良いと言われていますが、これには、昔は土葬でお棺の上に墓を建てたため時がたって土が落ちこみ、墓が傾くのを防ぐ意味が込められています。現代は火葬なのでその心配はありません。地方によっての違いはありますが、四十九日までに整えるのが一般的です。その他には忌明、お盆、お彼岸、年回忌など、なるべく早い段階で故人が心穏やかに眠る場所をつくられるのが功徳かと思います。
お墓を建てる場所
墓地には、「寺院墓地」「公営墓地」「民営墓地」があります。寺院墓地の場合は基本的に同じ宗派の方でないと建立できませんが、「公営墓地」や「民営墓地」の場合は特に宗派は問われません。また、一般にお墓は北向きに建立すると悪いと言いますが、それは我々の住まいと同じように日当たりが良く自然の恩恵を充分受けられるように建てた方が良いという考え方からのもので、得に決まった方角などはありません。
お墓のお手入れ
お墓のお手入れは仏様への供養であり、とても大切な事です。お盆やお彼岸だけでなく、たびたびお参りして綺麗にしておきましょう。しかし普段しっかりお手入れをしていても、長年風雨に晒されるうちにどうしても取れない水垢や苔がついてしまったり、文字彫り部分が見えなくなってしまったりといった事柄が発生してしまいます。無理に綺麗にしようとして墓石を傷つけてしまう事もありますので、まずは一度ご相談くださいませ。必要に応じて現地で確認をし、お客様にとってベストなアドバイスを致します。
生前建墓(寿陵)
生前にお墓を建立する事を「生前建墓(寿陵)」と言い、家運繁盛・長生きができる縁起がよいものとされています。現在既に建立されているお墓の半数以上は生前に建立されたもので、ここ数年では7~8割以上の方が生前に購入しているというデータもあり、自分のお墓は自分で決めるという流れが一般的になっていることを表しています。
実家のお墓に入れないから
お墓の継承権は直系だけですので、親の代の次は長男であり、次男・三男の方たちはご実家のお墓を引き継ぐことはできません。預骨という形でお寺に預かっていただくことはできても、いずれは残された方が引き取ることになります。
元気なうちにお墓のことをきちんと考えたいから
元気だから考えることができるのです。ご自身が病気になってから、お墓の話ができるでしょうか?
子供たちに負担をかけたくないから
いざという時でも事前にお墓の用意ができていれば、お墓の事にあまり詳しくないまだ若いお子さんや、残された配偶者の方への負担を減らすことができます。
ローンが利用できるうちに建てておきたい
事前にお墓を建立される年代は50~60代が多くを占めています。まだ現役でお仕事をされている年代なので、月々の返済が楽な10年ローンを利用して70歳までの完済が可能ですが、それ以降の年代の方は、現金でのお支払となってしまいます。
相続税の節税対策として
お墓などの祭祀財産は相続の対象とならないとされており、相続税がかかりません。お墓の区画を不動産として取得したのではなく、使用権を購入したという形になっているので、もちろん不動産所得税や固定資産税もかかりません。